こんにちは。ムッタ先生です。
みなさんは、これまでに人生を変える本に出会ったことありますか?
今日は、自己紹介でお伝えしたを紹介したいと思います。
その本の名はズバリ
『教師花伝書-専門家として成長するために-』著:佐藤学
これからどのような内容なのか、どうして私の人生を変えることにつながったのかなどを紹介していきます。
どうぞ最後までお付き合いください。
『教師花伝書-専門家として成長するために-』について
著者
まずは著者の佐藤学氏について紹介します。
佐藤学(さとう まなぶ)氏は、日本の著名な教育学者であり、教育改革のリーダーとして知られています。「学びの共同体」という教育改革の理論を提唱し、学校現場での実践を通じてその効果を証明されてきた方です。
私も一度ある研究発表会で一度、学びの共同体を行っている学校を参観したことがあります。その日の衝撃は忘れられません。ぜひ別の機会で紹介させてください。
佐藤学氏の詳細なプロフィールや業績については、下記の公式HPで確認することができますので、興味のある方はぜひ合わせてご覧ください。
1: 佐藤学公式ホームページ
概要
室町時代に「能」を完成させた、世阿弥の『風姿花伝』にインスパイアされ、教師の「身と心の構え」とそこから得られる学びについて述べられている本です。
「初心忘るべからず」という言葉を残したのも世阿弥であり、未熟(みじゅく)なころの芸やその時の気持ちを忘れずに、常に努力をすることが大切だという意味です。
主な内容としては、教師がどのように授業を実践し、学びを深めるべきかについて具体的な実例を交えて説明しています。
特に、教師が「教える専門家」から「学びの専門家」へと変わる必要性、授業研究の重要性や、教師同士の協力(同僚性)を通じて成長することの大切さも述べられています。
人生を変えた3つのポイント
教師としての在り方を学んだ
私はそれまで、本を選ぶ際には、今自分にとって課題となっているもの(生徒指導、学級経営、板書など)についての本を多く読んでいました。
もちろん、それらの本を読むことで、課題の解決につながることもありました。しかし、私のような未熟な教師にとっては、課題の多さに対処しきれない日々が続いていました。
そんな時に出会ったこの本には、こんな一節がありました。
これまで授業の技術や技能について書かれた書物は多いが、そのほとんどは「教授学」「教授理論」であり、授業の技術や技法を教師に伝授する「指南書」であって、教師の「稽古」(学び)の構え(思想)や作法(身体技法)を伝授する「花伝書」ではなかった。
この文章を読んだ時の衝撃は今でも忘れられません。私がずっと読んでいた本は、まさにここでいう「指南書」でした。その指南書を読んでもうまくいかなかった私に足りなかったものは、教師としての在り方を考えることだったのです。
教師の居方(ポジショニング)
みなさんは、授業をするとき、自分の立ち位置を気にしていますか。
私は正直、授業を進めることに精一杯で、どういう意図でその場所に立っているのかなんて考えたこともありませんでした。
「伝える」ために居る、「聴く」ために居る、「つなげる」ために居る
今まで考えたこともなかった視点に驚きました。これを意識するようになってから、「話すと聞きに、子供に一番伝わる場所はどこか」「子供たち同士が話を聴き合うために教師はどこにいるべきか」など、授業の時に自然と子供にとって何が良いかを考えることができるようになりました。
教師としての三つの規範
私は、いつも教師たちに「職人気質」として次の三つの規範を求めてきた。その第一は、子ども一人ひとりの尊厳を大切にすることである。第二は、教材の可能性と発展性を大事にすることである。そして、第三は教師としての自らの哲学を大事にすることである。
具体的な内容は、ぜひ本を手に取って読んでほしいのですし、正直ではうまく伝えきれません(笑)
本書の中では、専門家としての教師・職人としての教師と二つの側面で教師とは何かについて語られています。職人としての教師になるために、佐藤氏が大事にしてほしい三つのことと言えば分かりやすいかもしれません。
授業の技術についての本ばかり読んでいた私にとって、この三つの規範は、どれもドキッとさせられるものでした。
初任者時代の私は、恥ずかしながら子供の尊厳を大切にすることができなかったし、教材もとりあえずこなすだけだったし、哲学なんてものは持ち合わせていなかった。
こんなの当たり前だと思う方もいるかもしれませんが、私にとっては、こうやって言語化してくれたことで自分を振り返るきっかけを与えてくれたのです。
最後に
みなさん、いかがでしたか。私はこの本に出会ったおかげで、いくらいろいろな本を読んで知識や技能を身に付けても、教師としての在り方や思想が大事だということを学びました。この本を読んだことで、教師として自分は何を大事にしたいのか考えるようになりました。
佐藤学氏の学びの共同体については、まだまだ話したいことがあるので、今後、別の記事で紹介できればと思っています。
最後まで読んでくださりありがとうございました。「教師花伝書」ぜひ読んでみてください!